(命題) 任意の集合 S に対して, |S| < |P(S)|
(証明)
- |S| ≤ |P(S)| であること
- |S| ≠ |P(S)| であること
- a ∈ V のとき
- a ∉ V のとき
|S| = |T| となる T ⊆ P(S) が存在することを示す.
ここで T = { {x} | x ∈ S } を選べば,明らかに |S| = |T|.
背理法を用いて示す.
一対一対応 f: S → P(S) が存在すると仮定する.
f を用いて,新たに集合 V = { x ∈ S | x ∉ f(x) } を定義する.
このとき,V ⊆ S より V ∈ P(S) である.
よって,f(a) = V となる元 a ∈ S がただ1つ存在する.
V = f(a) より a ∈ f(a) .
このとき,V の定義より a ∉ V となり矛盾する.
V = f(a) より a ∉ f(a) .
このとき,V の定義より a ∈ V となり矛盾する.
仮定から矛盾が導かれたので,|S| ≠ |P(S)| が成り立つ.
以上より,与命題は示された.■
(補足)
「2. |S| ≠ |P(S)| であること」 は対角線論法によって証明している.
a2 ∈ f(a1) , a2 ∉ f(a2) , a2 ∈ f(a3) ,...
a3 ∈ f(a1) , a3 ∈ f(a2) , a3 ∉ f(a3) ,...
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